照江寺縁起について

  • 本尊 聖観世音菩薩
  • 宗派 臨済宗妙心寺派
  • 本山 京都 妙心寺
  • 開山 周天禮公(しゅうてんれいこう)座元禅師
  • 開基 岡田相善 涼室薫公(りょうしつくんこう)座元禅師

  照江寺は、金岡村中沢田岡田家25代善右衛門の弟相善が出家して涼室和尚となり、周天和尚を開山と仰ぎ、慶長2年(1597)5月12日現在地に寺院を創建したことに始まります。中沢田を支配する岡田家が江浦に寺院を建立できたのは、岡田家と江浦七人衆がともに武田家の家臣であったためだと思われます。 

 周天和尚は、慶長3年(1598)2月、伊豆修善寺より弘法大師一刀三礼の作と伝えられる大日如来像を迎え、寛文11年(1671)11月、涼室和尚によって境内に村内の祈祷所として大日堂が建立されました。 

 照江寺は、後ろに山を背負い、前に江浦(えのうら)港を見下ろす誠に風光明媚な佳観の地であります。また、江浦港は三面山をめぐらし、水深く波穏やかにして西風北風を避ける避難港として古くから知られております。それ故、当山を愛する文人墨客も多く訪れています。嘉永7年(1854)には、11月4日下田港に停泊中のロシア船ディアナ号が地震で大破し、12月2日修理のため近隣の漁船200艘が船を引いて戸田港に向かう途中、大風にあって原一本松に漂着して助けられましたが、内一艘が江浦港に避難し、乗船していたロシア人18人と役人など合わせて20名が当山に止宿しました。その後も数回止宿しています。

 江浦港がこのように避難港であったため、港に出入りする県内外の多くの道俗が、航海の安全や大漁を願って大日如来に祈願してきました。

 大日如来は秘仏で、昔は33年に1回御開帳を行っておりましたが、大正以後は10年に1回行うようになり現在に至っています。現在の大日堂は平成2年に大日堂を新築再建し、位牌堂を改築しました。現在の本堂は、先住敬道和尚が昭和40年新築・再建したものです。

昭和47年頃の照江寺

照江寺全景